行動調査初動注意点

探偵事務所の業務で最も多いのは浮気調査です。

この浮気調査は素行調査と同様に、いわゆる「行動調査」に分類されます。

その中でも、行動調査の中心となるのが尾行と張り込みです。

尾行とは、大辞泉によると「相手の行動を探ったり監視したりするために、気づかれないように後をつけること」と定義されています。

単に後をつけるだけであれば誰にでもできそうですが、相手に気づかれずに尾行するとなると非常に難易度が高く、熟練の技術が必要です。

同様に、張り込みも単に見張っていればよいというものではありません。

プロの探偵は、常に高度な技術と注意力を駆使して行動します。今回は、弊社探偵が行動調査において特に重視している初動の注意点を4つご紹介します。

また、それらの注意点を踏まえ、探偵に向かないタイプの人についても触れます。

行動調査の初動での注意点

初動注意事項4つピックアップ

張り込み中に対象者の写真を見ない

探偵が張り込み中に、対象者の写真や調査指令書を見てしまうことは非常に危険です。

というのも、張り込み中に対象者の関係者が偶然通りかかる可能性があるからです。

例えば、ある不倫調査で夫の勤務先を張り込んでいたとします。

その際、張り込みの現場で対象者の写真を確認しているところを、対象者の同僚や取引先の人が目撃することがあります。

万一、その関係者が「外で誰かがあなたの写真を見ていた」と対象者に伝えた場合、調査が発覚してしまい、以後の行動調査が困難になります。

そのため、探偵は事前に対象者の顔写真や調査指令書の内容を完全に記憶し、現場では一切写真を見ずに調査を進めるのが鉄則です。

個人名や名称を口にしない

張り込み中、対象者の名前や勤務先などの具体的な名称を口に出すことは厳禁です。

例えば、「○○さんは人事部長らしい」や「この会社の社員は何人ぐらいだ」などといった会話は危険です。

張り込み現場では、近隣の住民や通行人が耳を傾けているかもしれません。

また、「まだ出てこないな」や「そろそろ動きがあるかもしれない」など、第三者に張り込みしていることを悟らせるような発言も避けなければなりません。

探偵は常に「壁に耳あり、障子に目あり」の心構えで、言動には細心の注意を払います。

写真と一致しない人物でも油断しない

張り込み中に、現場から出てきた人が事前に提供された写真と一致しない場合でも、すぐに「対象者ではない」と決めつけてはいけません。

写真や調査指令書は、あくまで参考資料であり、時間の経過や状況によって対象者の外見は変わる可能性があります。

例えば、調査対象が「ロングヘアの28歳女性」と聞いていても、実際に現れた際には髪を短く切っている場合や、服装が派手と聞いていたのに地味な格好をしている場合もあります。

また、体型が変わったり、眼鏡をかけていたりすることもあります。

探偵は、あらゆる変化を想定し、慎重に観察を続ける必要があります。

目が合っても動揺しない

尾行中に対象者と目が合うこともありますが、その際に慌てることは禁物です。

急に目をそらしたり、不自然な動きをしてしまうと、かえって相手に疑念を抱かせてしまいます。

目が合ってしまった場合でも、平然とした態度を保ち、対象者の後ろや横にあるものを見ていたふりをするなど、自然な行動を取ることが重要です。

目が合った場合は、一旦パートナーの探偵に尾行を引き継ぎ、自分はその場を離れた後、服装や小物を変えて再び尾行に戻るなどの工夫をします。

このように、探偵には度胸と冷静な判断力、そして時には演技力が求められます。

探偵に向かないタイプの人

探偵に向かない人行動調査の初動での注意点を踏まえ、探偵に向かない人のタイプについていくつか紹介します。

自信過剰な人

自信過剰な人は、往々にして自分の能力に対して過信し、油断する傾向があります。

また、個性が強く目立つ人は、張り込みや尾行中に相手に気づかれるリスクが高まります。

自信過剰な性格のため、調子に乗ってつい対象者の個人名や会社名を口にしてしまう危険性もあります。

挙動不審な人

挙動不審な人は、自然な振る舞いができず、人目を引いてしまいます。

尾行や張り込みの際に、周囲から「何か怪しい」と思われると、調査がスムーズに進まなくなるだけでなく、警察に通報されるリスクもあります。

このような性格の人は探偵には向いていません。

緊張しやすい人

緊張しやすく、予期せぬ事態に過剰反応してしまう人も、探偵には不向きです。

例えば、尾行中に対象者と目が合ってしまったとき、緊張して挙動不審になると、かえって相手に警戒心を与えてしまいます。

また、距離を取りすぎて対象者を見失うこともあります。このようなミスは探偵業務において致命的です。

美人な人

「美人な人は探偵に向かないのでは?」と思う方もいるかもしれません。

確かに、素のままでは目立ちやすく、尾行や張り込みには不向きかもしれません。

しかし、適切な変装と演技力があれば、美人でも対象者に気づかれることなく任務を遂行することは可能です。

重要なのは、外見を変えるスキルと気配を消す能力です。

まとめ

探偵業務において、調査の成功は探偵のスキルに大きく依存しています。

張り込みや尾行の際には、対象者に気づかれないための工夫と慎重さが不可欠です。

また、どれだけ優秀な探偵でも、適切な注意を怠れば調査が失敗する可能性があります。

もし、探偵に調査を依頼する際には、担当する探偵が今回紹介した注意点を守っているかどうかを確認することが大切です。

適切な対応ができる探偵であれば、調査の成功率は高まるでしょう。