浮気調査や素行調査の現場では、タクシーを使って尾行することがあります。
たとえば、普段は徒歩や電車で移動している会社員の対象者が、急にタクシーを利用する場合や、現場の状況からタクシーに乗ることが予想される場合です。
いずれの場合でも、調査中の探偵は冷静かつ迅速にタクシーを拾い、対象者が乗ったタクシーを追跡しなければなりません。今回は、弊社探偵によるタクシー尾行について解説します。
急なタクシー尾行に対応する探偵
対象者が急にタクシーを拾う際、たいていは事前にその兆候が見られます。
たとえば、住宅街から車道に出たあと、駅やバス停に向かわず、来る車の方向を見ているような場合です。
このような場合、タクシーを探している可能性が高いと判断できます。
この兆候を確認したら、複数の探偵のうち1人が対象者より先にタクシーを拾います。
対象者の後からタクシーを拾おうとしても、すぐにタクシーが来るとは限らず、スピードのある車を追跡するには出遅れが命取りになります。
したがって、兆候が見えた時点で対象者より先にタクシーを拾うのが鉄則です。
この際、探偵は対象者の視界に入るリスクがあるものの、優先すべきは尾行を継続すること。変装をして印象に残らないように対策をします。
敢えて後続のタクシーを拾う探偵
タクシーが2台続けて来ることが確認できた場合は、先に乗らず後続のタクシーに乗ることもあります。
この際、2台とも空車であることを確認する必要があります。
もし後続車が賃走中や送迎中の場合、乗れないため、先に来たタクシーに乗る判断をします。
そのため、探偵は常に視力を確保し、メガネやコンタクトレンズを使って状況を正確に把握できるようにします。
先にタクシーに乗った探偵は、対象者が後続タクシーに乗るタイミングで、その車を追うよう運転手に指示します。
気が変わってタクシーに乗らなかった場合
タクシーに乗ろうとしていた対象者が、急に気を変えて歩き始めることもあります。
たとえば、バスが来たためそちらに乗る場合です。この場合、別の探偵が事態の変化に対応し、バスに同乗します。
タクシーに乗っていた探偵は、そのままバスを尾行します。
また、対象者が駅へ向かって歩き始めた場合も、様子を見ていた探偵が徒歩で尾行し、タクシー待機していた探偵はすぐに降りて合流します。
対象者が急にタクシーを利用する理由
対象者が急にタクシーを拾うケースには、いくつかのパターンがあります。
密会に遅刻しそうなとき
仕事や用事が長引き、浮気相手との約束に遅れそうな場合、タクシーを利用することがあります。
不倫関係において、特に男性は遅刻を避けたい傾向があるため、高い運賃を払ってでもタクシーを使い、約束時間に間に合わせようとします。
駅まで距離がある場合
自宅や勤務先が駅から離れており、普段バスを利用しているが、バスの本数が少ない、あるいは時間通りに来ない場合、タクシーを利用することがあります。
また、大雨の日や真夏の炎天下の日なども、タクシーを選ぶことがあります。
アクセスが悪い場合
浮気相手との待ち合わせ場所への乗り継ぎが多い場合、タクシーを利用して時間を短縮することがあります。
たとえば、勤務先が阿佐ヶ谷で、浮気相手の自宅が下北沢駅から徒歩15分という場合、電車を使うよりタクシーの方が早く到着できます。
密会後の移動
浮気相手との密会後、酔った状態で電車を使わずにタクシーを利用するケースがあります。高収入の男性は、浮気相手をタクシーで自宅まで送り、そのまま自宅に帰ることもあります。タクシーは外から見えず、プライバシーが守られるため、不倫カップルには便利な移動手段です。
予測できるタクシー尾行
対象者がタクシーを利用することが予測できる場合もあります。
駅や空港、シティホテルなどでは、対象者がタクシーを使うことが多いため、あらかじめ尾行の準備を整えておきます。
駅や空港
出張を装って浮気をするケースでは、目的地に着いた後、対象者が疲れてタクシーを利用する可能性が高いため、駅や空港でもタクシー尾行を想定します。
空港や駅のタクシー乗り場では、探偵が先にタクシーを拾う必要はなく、後続のタクシーに乗っても遅れずに尾行できます。
シティホテル
高級ホテルに宿泊する対象者は、タクシーを使う傾向があります。ホテルのエントランスにあるタクシー乗り場では、尾行する探偵は少し距離を取って付いていきます。
探偵の指示とドライバーの腕
タクシー尾行では、運転手に適切な指示をすることが重要です。
「あのタクシーを追ってください」ではなく、具体的に「前の黒いタクシー、ナンバー〇〇〇〇の車を追ってください」と伝えます。
弊社探偵は、相手タクシーのナンバープレートやタクシー会社の名前など、必要な情報を記憶しておきます。
これにより、見失っても再度発見しやすくなります。
運転手が対象者のタクシーを見失った場合でも、探偵が対象車の位置を伝えてフォローし、最後まで尾行を成功させます。
お釣りや領収書よりも尾行が最優先
タクシー尾行の最終局面は、対象者が降車するタイミングです。
このときもたつくと、対象者を見失う可能性があるため、素早い対応が求められます。
探偵は常に対象者の動きを監視し、降車のタイミングを逃さないようにします。
また、複数の探偵が同乗している場合、一人が先に降りて尾行を開始し、もう一人が支払いと領収書の受け取りを行います。
急な降車にも対応する探偵
タクシー尾行において、「先入観」や「安心感」は大敵です。通常、対象者がタクシーを降りる際には、ハザードランプが点灯しますが、必ずしもそうとは限りません。
以前、日比谷での浮気調査で、対象者が信号待ちのタイミングで突然タクシーを降り、走り去ったことがありました。探偵はその動きを見逃さず、すぐにタクシーを降りて追跡し、成功しました。
探偵は常に対象者から目を離さず、状況に応じた対応が求められます。
